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【ヤクルト1位】東京ガス・藤澤涼介外野手(横浜国立大学)「大海原」

※以下、大学野球総合版2024年春号「国立大学特集」における記事を掲載したものであり、当時の事実に基づくものです。ドラフト指名を契機として、アマチュア野球の世界をプロ野球ファンの皆さまにも知ってもらうべく、公開しております次第です。取材にご協力くださった皆さまに御礼を申し上げます。(編集部)

大海原

 「2年秋は打率3位で野球の調子も上がってきた。その中でも冬を越してから成長を感じていた中で、春リーグどん底に落ちた。その後、夏うまく調整が進んで、秋うまく打てたり代表合宿に選ばれた。春があったからこそ、秋の成長を感じられた」。藤澤涼介外野手の活躍を見ると、横浜国立大学野球部の浮上は藤澤の貢献が大きいと感じさせられる。春は1割台に終わり、チームも10連敗。秋は3割2本を放つとチームも3位へ。主将の加藤椋平も今年のチームについて「藤澤のチーム、藤澤が打てないと負ける」と語るように存在感は大きい。

 チームを勢いづけたあの関東学院大学戦の満塁ホームラン。「球場の流れが変わるのは感じた、あーいったなーと思いながら走った。自分で鳥肌がたつような感じだった」。圧倒的な飛距離と人生初となる満塁弾に当人も興奮を覚えた。初めの3カード9試合全てで安打を放つ順調な滑り出しだった。しかし、残りの4試合で快音はパタリと消えた。10月7日の桐蔭横浜大学との1回戦では東北楽天ゴールデンイーグルスにドラフト1位で指名された古謝樹投手を前に3三振を喫した。「まだまだ自分の実力では打ち崩せない」。格の違いを感じたという。チーム全体でも力の差を感じた。「(最初の3カードで)勝ち点を取ったのも力は相手が上だった」。関東学園大学との対戦では相手のミスによりアウトを重ねることができた場面があったが、そういったミスは上位校との対戦ではなかなかない。リーグ戦終了後に参加した大学日本代表候補合宿でも全国から集まる選手のレベルの高い選手に驚きを感じた。「高校生くらいから打てる部類のレベルだったが、そのレベルやそれ以上がザラにいることに驚いた」。特に刺激を受けたのは昨年の日米大学野球にも選出された渡部聖弥外野手(大阪商業大学)や西川史礁外野手(青山学院大学)。まだまだ大きな世界が広がっている。

 強豪私立高校の佐野日大から横浜国立大学に進学を決めたのは大学の自由な姿に魅力を感じたからだ。「(大学でも)野球をやると決めていたが、高校野球のように縛られた環境であまりやりたくないと思い、国公立の強いチームに行こうと思った」。高校の友人に横浜国立大学が良いのではないかと勧められ、自身でも好印象だったため志望を決めた。「中学高校と縛られて野球をやってきた。大学では選択肢を自分で選びやすい環境で伸び伸びできることが一番。高校野球ではバッティングは『こうやれ』と言われることが多いが、(大学では)やってみて感覚が悪ければ一切しない、感覚が良ければするという選択ができる」。

 現在は自慢の長打力をさらに強化すべくフォームの改善をはかっている。チームの中には体の構造に詳しい選手も多く、そういった選手の意見を取り入れ、自らの感覚に当てはめることによって調整を行っている。現在の藤澤のホームランの多くは高めのボール。このゾーンをベルトの位置まで広げることが今の目標だ。真ん中のゾーンであっても角度がつくようにスタンスを広げることで重心の位置を調整している。

 2024年はいよいよ最上級生となる。チームのためにも自らの将来のためにも重要な一年である。「自分ではあまり思いたくないが、藤澤に回せば得点が入るだろうと思ってもらえるようになりたい。秋はチャンスで打てたが、それまでは『チャンスで全然打てなくない』と言われていたのでそういう選手になりたい」。大学卒業後も野球を継続する予定だ。どの道へ進もうと二度とやってこない大学野球のラストイヤーにチームの大黒柱となることができるか。

(写真は横浜国立大学野球部提供)

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